バンコクの治安:セントラルワールド焼失の裏側に見える危険な構図とは
前回からの続きで
無残な姿になってしまったセントラルワールド(泣)
日本人にも馴染みの深いショッピングセンターだけに余計に心が痛んだ。
ご存知の通り、この一角には伊勢丹があり5階には紀伊国屋があって日本の書籍が買えたり、とんかつ屋から蕎麦屋から和食レストランが軒を連ねていたり。
バンコクという海外でも、日本人がホッと心休まる場所でもある。
不幸中の幸いであったが、焼き討ちによりZENエリアはあのような惨状になっていまったが、それ以外のゾーンにまで大きく火の手が回ることはなかった。
ZENの対極の場所に位置する伊勢丹は幸いにも消失を免れている。
当時はセントラルワールドに限らず、バンコク市街地のあちこちで焼き討ちや破壊が頻発していた。
それにしても、
なぜセントラルワールドが標的となってしまったのか?
アジア地域でも最大級の規模を誇る高級ショッピングセンター。
まともに探索すれば、歩き疲れて足腰が悲鳴をあげてしまうほど。
バンコクの人にとっても誇らしい施設の一つであるのは間違いないのではないのか。
実は狙われた理由も暴動の深い闇に起因する。
ここの運営母体であるセントラルグループも反タクシン派とみられていた。
この前の広場がデモ隊の集会スペースでもあったのも一因かもしれない。
そして、
しばしの復興期を経た現在、すっかり修復され痕跡一つ残っていない
もちろん外観だけではなく、館内に入りZENゾーンを歩いてみても、かつてそんなことがあったのか、と思うほどの見事な修繕ぶりである
こちらは反対側のBig Cの前から撮った一枚
実はこのBig Cも同様に焼き討ちで、商品の略奪、放火など散々な目に遭っている
Big Cは過去の記事にも書いたように、私のお気に入りスポットの一つである。
けっしておしゃれではないし、目玉となる何かがある訳でもないが、フードコートは安くて美味しいし、ディスカウントデパートとしてもかなりの規模で使い勝手が良い。
高級デパートにはいってるフードコートと街中の屋台の中間にあるようなレンジ。
もちろん味も良い。
またショップでは大抵のものは揃うので、お土産から自分で使う日常品まで安く手に入る。
1Fのマックに入れば、学生が熱心に宿題をしていたりしてるのも微笑ましい。
バンコクで高級デパートに慣れ過ぎてしまうと鈍感になってしまうが、ホントのバンコクの魅力は屋台文化に代表されるように気取らない日常であるのは確か。
そんな魅力を思い出させてくれるのがBig C。
そのBig Cまでがなぜ焼き討ちに・・・
実はこのBig Cもまたセントラルグループなのであった。
セントラルグループは、他にもロビンソンなども経営している。
前々回の暴動でタクシンが国外追放になり前回はインラックが失職し、現在の軍事政権が誕生。
軍事政権はあくまで暫定であるからプラユット首相もいずれ民主政治にあけ渡すことを明言している。
そして総選挙のメドとされているのが2015〜2016年のどこか。
もう赤シャツ/黄シャツが再燃することはないのか否か、は分からない。
ただ、何かあって少しでも不穏な空気が流れたならば、物事にはこのような対立構造があるということを理解して、あまり危険な場所に近づかない心構えが必要だ。
「インラックは美人で可愛い!」とか喜んでいる場合では決してない(笑)