ムエタイだけではないタイのサッカー人気
タイのスポーツといえばムエタイが一番有名だが、サッカーも負けず劣らず人気が高い。
特に格闘技系と異なり、学校教育で取り入れることができるため、タイのあちこちの公園の広場やグランドなどでサッカーに興じる子供達を見かけることも多い。
このような人気の背景には、タイの大企業がスポンサーとしてプロサッカーチームを運営していることも多い。
ナショナルスタジアム
かつては、政府系銀行のクルンタイ銀行のサッカーチームが日本の鹿島アントラーズと試合をして0-10で大敗したりしていたが、経済好調のタイでは中国ほどではないものの豊富な資金力で有力外国人選手を招聘しかなりレベルも上げっていると思われる。
Jリーグで試合をしていた日本人選手が何人もタイリーグに移籍している。
日本代表経験のある岩政選手(鹿島)、茂庭選手(C大阪)、西選手(東京V)、カレン・ロバート選手(磐田)などなど。
ひと昔前なら、日本で戦力外になった選手がそれでも諦められなくてアジアのボロリーグで現役を続けている・・のような斜陽のイメージが強かった。
だが、現在の実態はタイでプロ契約したほうがJリーグよりも稼げるという本質もある。
それだけ新興国タイの経済発展が著しく、スタジアムや練習環境も徐々に改善の一途をたどり、バンコク周辺であれば都会的な生活も約束され、英語の通じるタイにはヨーロッパやアフリカなどからも有力選手がトライアウトに参加するという狭き門になっているという。
このような実態から考えれば、早晩 アジアのレベルでも上位に押し上げてくることは想像に難くない。
以前バンコクを訪問していた時に、たまたまマンU(マンチェスターユナイテッド)とタイのタイリーグ選抜との親善試合の開催日と重なったことがある。
そんなイベントがあることも知らずにレストランで食事をしていたが、地元客が熱心にテレビを見て応援しているのを見て、ムエタイと変わらない熱気を感じた。
当時マンUのメンバーだった香川選手は出場していなかったが(遠征に帯同しなかった模様)、試合もタイ選抜が1-0で勝利したこともあり、店内はすっかり大盛り上がりだった。
何でもタイの「シンハービール」はマンチェスターユネイテッドの公式ビールとしてスポンサー契約しており、そういう繋がりでこのプレシーズンマッチが開催されたそうだ。
東南アジアのデトロイトと呼ばれ自動車産業が活況を呈し、中国のように民族気質や文化、モラルなどで大きなウィークポイントも見当たらず、どんどん外資が参入し経済活況に拍車がかかる
新興国タイの底力恐るべし、である。